どうして効くの?

 

 

 

今のところ、わかりません

 

ホメオパシーを初めて聞いたときは、誰もが戸惑うのではないかと思います。だって、100分の1を1万回? 希釈震盪すればするほど効果が上がる、だって? えっ?てなりますよね。

 

 

アボガドロ指数によると、12gの炭素を基準とした1molの物質の中には、6.022 × 10の23乗個の分子が入っているということになっています。つまり12gの炭素を10分の1にする作業を、23回したところで、炭素の分子は一つも残らなくなる、という計算です。


 

これをポテンタイゼーションに置き換えると、どうなるでしょうか? 100分の1を12回繰り返した時点、つまりポテンシーが12Cになった時点で、すでに物質は1分子も入っていないということになってしまいます。な、何も入っていない???

 


このことは、過去にも現在にも、ホメオパシーが「あり得ない」としてバッシングされる最大の理由となっています。確かに何年学んでも、レメディーが作用するたびに信じられない思いにさせられますから、突然信じろと言っても、相当に無理な話だとは、私自身も思います。

 

 

 

科学が解いてくれる日まで

 

ですが、ここで考えてみたいのです。現在の量子力学でも、電子は粒子であると同時に波動でもある、という奇妙な事実が常識となっています。最小の物質が波動でもあるとしたら、ある時点からパタリと、なくなってしまうというのも、なんだかそうは言い切れないような気がしてきませんか? 

 

 

つまり、現在の科学で検出可能な物質の限界が10のマイナス20〜30乗の世界というだけで、いつかはホメオパシーの扱う極小世界も、科学的にも証明される日は来るのではないでしょうか? またホメオパシーは、ただ薄めているのではなくて、振っています。振ることで、波動は増幅されているという可能性はないのでしょうか? この振る行為に、何か重大な秘密が隠されているように思えます。(イラスト:原書をアインシュタインが絶賛した『不思議宇宙のトムキンス』より)

 

 

とは言え、実際に何が起きているかは誰にもわかっていないわけですから、大きなことは言えません。では、それらが解明されるまで、ホメオパシーは使われずにいるべきでしょうか? いえ、今の科学で証明できないからと言って、こんなに優れた治療法を利用しないのは、まるでもったいない話だと、私は思います。西洋医学で使われるお薬だって、実はその作用機序の全てを、わかって使っているわけではないのですから。

 

 

ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン・・・、いつの世も、科学の新しい領域を切り開いた人たちは、最初は気違いだと揶揄されたのではないでしょうか。何しろ当時の常識では、考えられないことを提唱するのですから。現在の常識においては、ホメオパシーも、気違い扱いされやすい療法であることは、間違いありません。けれども、いや、だからこそ、「どうしてホメオパシーは効くのか」、この問いは、次世代の科学を切り開く、重大な可能性を秘めているはずです。

 

 

※ この問いが解けたら、ノーベル賞は確実でしょう。ホメオパシー溶液に免疫細胞が反応したという事実だけで、ノーベル賞をとりかけた免疫学者もいたくらいですから(1988年、水の記憶事件、Jacques Benveniste)。ちなみに、2008年にノーベル賞を受賞したウィルス学者のLuc Montagnier氏が、ホメオパシーの効果について肯定的だと言っていることが、最近の記事にもなっています。

 

 

 

(文:刀禰詩織)